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十干十二支の謎

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[十干十二支の謎]2018.10.1

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 今月は、世の中も平和なのか、安部首相3選などというコラムにしても面白くもない事件くらいしかありませんので、歴史ネタからコラムを書いてみました。
 契約書などの法律文書には、登場人物の固有名詞を略するのに、甲、乙・・・としていることはよくご存じのことと思います。私が今まで判例や教室事例でどこまで略称が出てきたかを記憶している限りでは、甲、乙、丙、丁、戊(ぼ)まででしょうか。では、それ以上登場人物が出てきたらどうなるのでしょうか。実は、この甲、乙というのは、十干という干支からきているのですね。十干は、甲、乙、丙、丁、戊、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)となっています。現代の曜日と似ているのですが、木、火、土、金、水をそれぞれ兄と弟と二段階に分けて、甲を木の兄、乙を木の弟、あと同様に兄と弟を振り分けて十款としたものです。読み方は、木の兄を「きのえ」、木の弟を「きのと」と読みます。これで、法律文書で10人までの登場人物には、略称を振ることができますね。
 先ほど、干支と言いましたが、これは十干十二支を略したものです。十二支というのは、皆さんよくご存じの子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)ですね。十干の己(き)と十二支の巳(み)が間違えやすいですね。長谷川博己さんは、“ひろみ”さんではなく、“ひろき”さんですね。この十干と十二支を組み合わせたのが六十干支という60組です。これを年の数え方に用いますと、60年で一回りするというのです。ですから、60歳になった人は「還暦」ということで自分の生まれた年の干支がまた回ってきたということになります。

 では、その年の組み合わせとはどうなるのでしょうか。例えば、甲と子を組み合わせたのが、木の兄のねずみで、「きのえね」となります。この甲子の年は、最近では昭和59年(1984年)なのですが、その前は60年前の大正13年(1924年)になります。大正13年に完成した野球場なので、甲子園という命名されたのでしょう。
 歴史の勉強をしていますと、十干十二支で事件名を表すことが非常に多くありますね。古代では、壬申の乱、これは、壬―みずのえ、申=さるという頃で、最近では、1992年が壬申でした。その60年×22=1320年前の672年に起きたということが(計算すれば当たり前ですが)分かります。他にも、西郷どんでも出て来ました戊辰戦争、これは戊=つちのえ、辰=たつということで、最近は1988年ですから、その60年×2回=120年前の1868年に起きたということがわかります。中国でも辛亥革命が、十干十二支による命名ですね。
 ここで皆さん、あれおかしくないかと思われることがあると思います。十干に十二支を掛ければ120通りで、60通りにはならないのではという疑問です。私も、ずっとこれが不思議でしょうがありませんでした。何故60通りになるかという説明が色々となされています。「10と12の最小公倍数は60だから」だとか、「十款は甲から始まり、十二支は子から始まり、一つずつずれていくので(半分の)60通りになるのだ」とか、色々と説明されていますが、正直、半分分かったようで、半分分からないという感じです。確かに、甲子園はあっても乙子園はなく、10×12の組み合わせでないものが出てくるのですね。このあたり、うまく説明できる方がいらっしゃいましたら、是非ともレクチャーをお願いします。
 ともあれこれで60通りの組み合わせができましたので、登場人物が60人までは十干十二支で略称表記できることになりますね。「山田太郎を『甲子』、鈴木次郎を『乙丑』、・・・という。」となると思いますが、きっと先述した存在しない干支が出てきて混乱するかと思われますので、甲1、甲2、甲3・・・としていくのが無難かと思います。オチが無い話で恐縮ですが、このあたりで今月はご勘弁頂きたくお願いします。
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