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最近の解決事例紹介(企業法務編)− 株主による株主総会の招集 2014.1.1

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 ある依頼者から次のような相談を受けました。依頼者が株式を75%保有する会社(甲社とします。)があり、当初、代表取締役と平取締役を選任したのですが、両取締役が、近時、大株主である依頼者の指示を全く無視するようになったとのことでした。依頼者としては、甲社の銀行借り入れについて利害関係があるため、できるだけ早く債務の整理などを行いたいという意図があるのですが、取締役たちが言うことを聞かないので、困っているというものでした。

 まずは依頼者から、甲社の代表取締役に対し、取締役選解任に関わる臨時株主総会を開催してほしい旨要請をするよう指示して、実際に要請したのですが、全く無視されてしまいました。かような場合にどうするかというと、(依頼者は75%も後者の株式を保有していますが)少数株主による株主総会招集請求という制度があります。甲社は、有限会社でしたので、現在会社法上「特例有限会社」というのですが、総株主の議決権の10分の1以上を保有する株主は、取締役に対して株主総会の招集を請求しても総会を開催しない場合、裁判所に対して、株主総会の招集することの許可を申し立てることができるのです。
 そこで、当事務所が代理人となって、甲社の本店所在地を管轄する裁判所に対して、株主総会招集許可の申立てをしました。その際、困ったのが申立人である依頼者が甲社の75%の株式を保有する者であること、すなわち申立人としての適格性の証明でした。というのも、甲社の両取締役は当方の申立てに協力してくれるのを期待するのも難しく、何よりもどうやら株主名簿をきちんと作成していないようだったからです。そこで、甲社の税務申告書写しの添付書類にある株主一覧などを書証として提出し、また、裁判所の審理においても、取締役らを審尋して、その際に特に依頼者の株主性を争うことがなかったので、何とか申立人適格をクリアでき、裁判所から、現取締役の解任、新取締役の選任議案についての株主総会招集許可を得ることができました。

 そして、当該裁判所許可に基づき、甲社の株主総会の招集及び開催という実際の手続きに入りますが、上述したとおり、依頼者は甲社の75%の株式を保有しているものであり、残り25%の株式については、乙さんが保有しており、必ずしも依頼者の意向通りの動きをして頂けるかは不明であったため、さらには、現取締役が最後の抵抗をする可能性もあったので、株主総会の招集は内容証明郵便により行い(通常は、総会招集通知は“発信主義”であり、到達しなかったことについて株主の方に立証責任がありますが)、株主に到達していることについても証拠化しておきました。
 さらには、株主総会当日のことですが、実際に適式に総会が行われたかを証拠化しておかないと、後になって総会無効の訴えなどを提起されても困りますので、公証人に株主総会に同席頂き、株主総会の議事に関する事実実験公正証書を作成してもらうこととしました。本来、会社法においては、総会検査役という株主総会に立ち会って、総会が適法適式に行われたかどうかを裁判所に報告するという制度があります。しかしながら、かような場合、検査役が裁判所によって決定され、その費用は結構な額となるという問題点があります。そこで、公証人に事実実験公正証書を作ってもらうことで後日の無用な争いを避けることを企図したものです。すなわち、後日の無用な紛争を未然に摘んでおくという意味では、両手続の効果は一緒なのです。

 株主総会当日は、当職も招集者代理人として、両議案が可決されました。また事実実験公正証書を作成していただくために公証人を、そして、決議後ただちに登記するために司法書士にも同席していただきました。総会では、25%保有の株主も現取締役の解任、新取締役の選任議案に対して反対することなく、全会一致で決議され、無事登記も完了することができたという事案です。
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