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フジサンケイグループ日枝代表の院政

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[フジサンケイグループ日枝代表の院政]2025.3.1

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 「院政」というのは、日本の歴史上、1086年に白河天皇が堀河天皇に譲位して上皇(太上天皇)となり始めた政治形態で、上皇または出家した上皇である法皇が天皇に代わり”実質的に”政務を行う政治形態をいいます。しかし、院政という政治形態は、律令制度にはない制度であり、端的にいうと法的根拠が”ない”政治形態になります。関白や検非違使も律令にない制度であり、“令外官(りょうげのかん)”といわれましたが、それでも律令の下位規範である格式などでその法的根拠は認められていても、院政については全く法的根拠がありません。
 すなわち、院政を行う上皇が父であり、祖父でありという直系尊属の立場から、直系卑属である天皇を差し置いてもしくは天皇をコントロールして政治を実質的に自ら行うというものです。院政を行う上皇がその権力として有しているもので重要なものは人事権と恩賞付与権ではないでしょうか。人事権の最たるものが、天皇を自由に任免することができるというものです。鳥羽上皇が崇徳天皇を“解任”して近衛天皇を即位させ、近衛天皇が早死にすると後白河天皇を即位させるというように、フルに人事権を行使しました。このように人事権を有する上皇を「治天の君」といいます(以後、院政を行う上皇を「治天の君」といいます。)また、上皇は上皇で財産的基盤を確立させ、自分自身の荘園を保有することとなり、例えば八条院領、長講堂領といった荘園群を治天の君が“実質的に”保有していたものであり、莫大な財政力により部下に恩賞を与えることでこれらをコントロールし、政治を動かすことができたのです。基本的に、治天の君である上皇・法皇らは、死ぬまでその権力の座を降りることはありませんでした。

 第64・65代内閣総理大臣田中角栄は、「文芸春秋」スクープの田中金脈問題により首相を辞職した後も、いわゆる院政を敷き、長年にわたり自民党、ひいては日本の政治を単なる元首相という立場で、日本国憲法上の法的な根拠もなくほしいままにしていました。
 すなわち、首相辞職後は、単なる一衆議院議員にすぎなかったのですが、自民党党内最大の派閥である田中派をその会長という職でもないのに牛耳ることで、田中派の人事権、恩賞付与権を欲しいがままにし、それはロッキード事件により自民党を離党した後も続きました。やはり、治天の君たちの院政と同様に、田中派内部の人事権を行使して、子分たちに政界ポストを意のままに付与して、最終的には総理大臣を誰にするかというキングメーカーにまでなったものです。また、金脈問題で問題になったくらいに個人的な財政力を背景に、田中派の財務を一手に掌握し、財界からの献金などを子分たちに再配分して従わせたというまさに“治天の君”でした。しかし、最終的には竹下登たちの田中派からの離反により、田中角栄による院政は終わりを告げることとなったのです。

 今回、中居君問題で揺れているフジテレビですが、他のマスメディアからは「日枝さんを会見に連れて来い!」という声が大きくなっています。フジテレビの権力構造はどのようになっているのでしょうか。調べますと、株式会社フジテレビジョンは、持株会社である株式会社フジ・メディア・ホールディングスにより100%株式を保有されています。では、その株式会社フジ・メディア・ホールディングスはというと、東宝が8.24%、文化放送が3.46%、NTTドコモが3.42%、関西テレビ放送が2.73%と飛びぬけて株式を保有する大株主がいない状況です。しかしながら、フジサンケイグループというグループのホームページを見ますと、“フジサンケイグループ(FUJISANKEI COMMUNICATIONS GROUP 略称 FCG 代表:日枝 久)は、78社、4法人、3美術館、約13,000名の従業員からなる日本最大級のメディア・コングロマリットです。”と書かれており、フジテレビジョンもその傘下にあることを堂々と述べています。
 しかし、これはおかしくないでしょうか?フジテレビジョンは、フジ・メディア・ホールディングスにより100%保有され、その持株会社は株式市場に上場しており、大株主がいないいわば株式が分散された会社なのに、FCGという法人でもない幽霊みたいな存在により“支配”されていることになり、それを公然と主張しているのです。ここでわかる事実は、日枝久氏は、FCGの代表であり、株式会社フジ・メディア・ホールディングス、および株式会社フジテレビジョンの取締役相談役であるということです。法的根拠のある法人2社においては、代表権もない単なる平取締役の相談役にすぎず、FCGという法人格もない幽霊みたいな存在の代表であることによって、FCGを牛耳っているということです。まさに、法的根拠もないのに人事権、恩賞付与権を行使して、フジサンケイグループの政治を支配している“治天の君”であり、これぞ日枝院政といわれるものといえましょう。今回の中居君問題で日枝氏の責任を追及する声が大きくなっていますが、上皇たちの院政や、田中角栄と同様に、法的根拠のない”治天の君”ですから、株式会社のように法律による解任ということもできないでしょう。日枝氏が自らその治天の君の座を降りない限りは、中居君が芸能界を引退しようが、子分たちが役員を退任しようが、治天の君としての立場は安定、誰も引きずりおろせないというのが正直なところではないでしょうか。
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