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一人当たりGDPについて |
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[一人当たりGDPについて]2016.2.1
昨年末に、2014年の国民一人当たりGDPが3万6230ドルであり、先進国クラブであるOECD34か国中、20位という内閣府の発表がありました。前年から6パーセント減少しているとのことですが、これはどうやらドルベースでの算出ですから、昨今の円安傾向からして、為替レートによるマジックなのかもしれません。円ベースでは、90年代後半から07年までは400万円あたりで推移していたのですが、07年から300万円台中盤の高原状態にあるという感じです。IMF発表では、日本の一人当たりGDPは24位、世界銀行発表でも26位ということとなっています。改めてこの客観的数字を突き付けられてショックでした。国あたりのGDPが中国に抜かれて3位になったとはいえ、一人あたりのGDPであれば、西欧諸国とも見劣りしないのではないのではと思っていただけに、香港にも抜かれ、韓国にも追い上げられ、IMF発表では、EU平均とほぼほぼ同じレベルといった感じです。
政府もさすがにこれではいかんと思ったのか、為替レートのマジックという言い訳も通じないと思ったのか、2016年7−9月期から、企業の研究開発費をもGDP算出のための数字に算入することとし、そうすると、名目GDPが3パーセント以上、15兆円増加するというのですが、それでも、一人当たり3万6230ドルが、3万7317ドルになるだけで、IMF発表では、フランスの次の21位に、世界銀行発表では、イスラエルを抜くだけで順位は一つ上がっての25位になるにすぎません。 調べ始めて、自分自身を慰めるために、色々と他の指標も調べてみました。一人あたりの購買力というのもIMFで発表されていますが、それによるとなんと29位となり、一人当たりGDPよりも順位が下がってしまい、台湾にも抜かれ、何と30位は、赤道ギニアです。結局、自分たちは豊かな国になったと錯覚し、国あたりGDPが中国に抜かれても、一人あたりだとまだまだと思っていましたが(実際、中国の国民一人当たりGDPは、IMF発表で74位、世界銀行で79位ですが、チベットだの、ウルムチだの帝国主義的拡大で版図を広げてしまったしっぺ返しによる数字であり、上海、広州、北京などの中原のいわゆる漢民族だけで計算すれば、結構いい数字になるのではないでしょうか、あくまで推測ですが。)、さほどに豊かな国になっていなかった、今後も人口は減少する、労働人口も減少するで、とても一人当たりGDPが先進国並みになっていくというのが期待薄です。 そこで、GDPとは何ぞやから分析してみたいと思います。日経4946.comから引用させて頂きますと、「 国内総生産(GDP=Gross Domestic Product)とは、その国の中で一定期間にモノやサービスの生産・提供を通じて新たにどれだけの付加価値(モノやサービスの生産額から原材料などの中間生産物の額を差し引いたもの)が生み出されたのかを表す数値で、その国の経済規模を表す代表的なデータです。簡単に言えば、その国の人々が1年間に稼いだお金の総額です。」と説明がありました。結局、いかに付加価値を付けるかということなのですね。ところが、その付加価値の計算は難しいらしくて、通常GDPを計算するには、その国の支出額がGDPと一致するので、その国における支出額を集計することでもGDPが算出できるというのです。そこで、「支出面から見たGDPは個人消費、民間投資(民間住宅投資や企業の設備投資など)、政府支出(公共事業など)、純輸出(輸出額から輸入額を差し引いたもの)の4項目に大別できます。それぞれ家計、企業、政府、外国という4つの主体が期間内に日本国内の生産物に対していくらお金を使ったかを表しています。」ということになるらしいです。このあたりの説明が何度聞いてもわかりません。GDPが付加価値というのであれば、例えば、一般のサラリーマン家庭では、会社からもらう給料がそれに対応するのではないかと思いますが、なぜ個人消費、すなわち家庭における生活費だと思うのですが、GDPの指標になるのか、そうすると、もらった給料を全部貯金もせずに全部使ってしまう家庭が一番GDPが高いということになるのでしょうか。また、民間投資も、住宅ローンを無理に組んで家を建てることもGDPアップに貢献するというのが納得できません。ローンが払えず、競売されることによる国民的損失は計上しないのでしょうか。公共事業も同じです。国債を発行しまくって狸しか通らない道を作ったりすることがGDPアップにつながるのでしょうか。唯一理解力の悪い私でも理解できるのが、純輸出です。トヨタなどの自動車メーカーが汗水たらして外国に自動車を輸出して設けた純輸出額が付加価値というのは、極めてわかりやすいと思います。個人消費、民間投資、政府支出の項目と、純輸出の項目では性質が違うのではないかと素朴に感じる次第です。このあたり、誰か説明を頂ければ幸甚です。 GDPの算出方法の理解はともかく、国民一人当たりのGDPが冷酷な事実としては、それほど高くない、すなわち、それほど日本国民は儲けていないという事実を直視しなければならないでしょう。結局、一人一人の稼ぎが低ければ、年金制度を維持していくこともできないし、オリンピックのような国家イベントも開けないでしょう。一人一人が付加価値を高めていくしかないわけで、日本より上位国の国民がどのようにして一人当たりのGDPを高めているかを学ばなければならないと思った次第です。 |
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