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[グローバルコミュニケーション]2012.7.1

 最近、Timeだったか、Newsweekだったか、外国誌をぺらぺらと本屋でめくっていたら、中国関係の記事で、次期最高指導者と目されている習近平の写真があり、英語表記がXi Jinpingとされていた。発音的には、シージンピンと発音するのだろうか。どうやら、グローバル的には、シージンピンで通っているのだろうが、日本国内での報道では、”しゅうきんぺい”としているのはご承知の通り。昔、「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い。」という川柳があったが、習近平も「しゅうきんぺいとは、俺のことかとシージンピン言い。」と言いそうである。

 昔、「NHK日本語読み訴訟」というのがあり、小倉在住の朝鮮人である崔昌華(チォエチャンホァ)牧師が、NHKに対し、事前に崔昌華の読み方は(チォエチャンホア)であると申し入れしていたのにもかかわらず、NHKは「サイショウカ」と日本語読みで放送したことにつき、人格権侵害による損害賠償請求の訴訟を提起したというものであった。最高裁まで行ったが、自分の名前を正確に呼ばれることに付き人格権的利益があるとしたが、日本語読みしたことについては違法とまでは言えないという判断がなされた。自分のことに引き直しても、やはり自分の名前は自国での読み方で呼ばれたいというのは、自然な願望であると思われる。この事件があったからなのかわからないが、そういえば、現在は韓国・朝鮮の人の読み方については、現地読みをしている。イ・ミョンバク、ペ・ヨンジュン、キム・ジョンウンなどなど。しかしながら、中国人に関しては、相変わらず日本のマスコミは日本語読みしている。ネットで調べても正確なところがわからないが、どうやら中国国内でも日本人については、“中国語読み”しているから、相互的なルールとして、中国人の日本語読みをしているとのことのようだ。

 ここで考えなくてはならないのは、グローバルなコミュニケーションにおいて、日本語読みをしていて果たしてプラスになるのかという観点で考えるべきではないか。フー・チンタオと言われて「誰それ?」ではなく、胡錦濤のことと即座に分かる方が、グローバルコミュニケーション上、メリットがあるのではなかろうか。お互いのメンツの問題よりも、グローバルコミュニケーションでのメリットを取った方が、良いような気がする。

 ところが、何でも現地読みをすれば通ずるというものではないのが厄介なところである。特に、アメリカという英語を使う国がグローバルコミュニケーションにおいてでかい顔をしているので、特に地名などが、現地読みではなく、“英語読み”の方が通りが良いということもある。例えば、Jordan River West Bankという地名がCNNなどでジョーダン・リバー・ウエスト・バンクと呼称されていて、銀行の名前かと最初思ったが(これは“冗談”)、「あっ、ヨルダン川西岸のことか」というのが経験としてあったが、そういえば、それ以外にも、Hamburgはハンバーグだし、Zurichはズーリックだし、グローバルには英語読みされている地名も多いのである。人の名前でも、Andersenさんは、アメリカでは、アンデルセンではなく、アンダーセンである。

 この“英語読み”の問題にしても、アメリカ帝国に対して屈するわけではないが、もはや英語がグローバルコミュニケーションのツールとなっている以上、日本国内でもマスコミは“英語読み”にシフトして言ってもいいのではないかと思う次第である。