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最近の解決事例紹介(不動産編)− マンションの強制退去 2016.9.1

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 都心3区内に賃貸用マンションを保有されている依頼者から、当該マンションの賃借人が賃料を相当期間延滞しているので、何とか出ていってほしいという相談がありました。依頼者は、管理を委託しているいわゆるPM業者経由で、何度となく賃料の督促、支払えないのであれば退去を要請しているのですが、言を左右にし、色々と理由を付けて賃料支払も退去にも応じません。そこで、当事務所から件の賃借人にコンタクトして、賃借人としての意向を聞き出そうとしたのですが、要はそのうちお金が入ってくる予定があり、その時に延滞した賃料もすべて支払うのでそれまで待ってほしいということでした。さすがに見込みがないのではないかとも言えずに、それでは少しの期間待つので、それまでに延滞賃料を完済して頂くなら頂く、支払えないのであれば退去の時期を具体的に回答してほしいと一旦猶予しました。

 しかしながら、約束の猶予期間が来ても賃借人からは何も連絡無く、こちらからコンタクトすると前回と同じような言い訳をしてもう少し待ってほしいという弁解ばかりでした。そこで、「もう相当期間お待ちしたので、これ以上お待ちするわけにはいかず、裁判所に建物明渡訴訟を提起させて頂くので、それまでに賃料を支払って頂ければ、訴えは取り下げるし、支払えないのであれば裁判の中で退去の時期条件を裁判所に中に入ってもらって合意させて和解を成立させて頂く。和解が成立しなければ、強制執行になる。」という説明をして、可及的速やかに裁判所に建物明渡請求事件の訴えを提起しました。

 当該賃借人との間の賃貸借契約においては、連帯保証人もついていましたので、賃借人・連帯保証人両者に訴えを提起したのですが、裁判期日には、両者とも出廷せず、結局当方の訴えが全面に認められる欠席判決を得ることとなりました。判決言渡し後、すみやかに(判決確定前にも執行が進められる仮執行宣言はついていましたので。)、建物の強制執行の申立を行いました。

 賃料不払いによる建物明渡請求において一番厄介なのは、和解ができなかった場合、すなわち任意の明渡がない場合の執行官による強制執行による明渡です。申立後、まず東京地裁の執行官室に出向き、執行についての段取りを執行官と打ち合わせしました。まず1週間後に、「催告執行」、すなわち第1回目から建物内の家財を全て室外に出してしますような執行は行わず、1回目は執行官から賃借人(判決確定後は、不法占有者となるわけですが)に対して、任意に退去するようにとの説得を行い、その上で、次回の執行日は、全ての室内の財物を外に出してしまう、いわゆる「断行日」となります。その催告執行日には、執行業者および鍵業者にも同行してもらうこととなります。すなわち、断行となった場合、執行官は30分しか時間を取ってくれないので、30分内に室内のすべての財物を外に出してしまうことができる、強制執行専門の業者に依頼することとなります。催告執行日に、執行業者の人にも中を見てもらい、どのくらいの人数で、どのくらいの時間(あとどのくらいの費用で)で執行が完了するかを見積ってもらうことが重要なのです。当事務所は、私が独立する前からお世話になっている執行業者と懇意にしていましたので、タイトなスケジュールの中、今回も催告執行に立ち会ってもらいました。また、鍵業者についても、賃借人が勝手に鍵を変えている可能性がありますので、念のために鍵業者にも同行してもらいます。賃借人が鍵を取り替えている場合には、鍵を開けてもらい、かつ執行完了後には新しい鍵を付け替えてもらうためです。

 催告執行が行われ、断行日も指定されたのち、問題の賃借人から「今度こそは本当に出ていくので。」という連絡があり、何と断行日の前日に退去完了するということで、前日に当該マンションに出向いたところ、大きな箪笥とか、冷蔵庫などはなくなっていましたが、ゴミだらけの部屋でしたので、大まかなゴミを出してもらい、翌日執行官が見えたときには、残置物につきゴミの認定をもらい、執行が完了した次第です。
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