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最近の解決事例紹介(不動産編)− 通行権の確認事例 2016.11.1
本事件の依頼者から、都内の土地をマンション建設用に購入したのだが、いわゆる袋地であり、公道に出る道路については、当該土地の売主が隣地所有者から自動車の通行を含む通行権を設定してもらったという説明を受けていたものの、その隣地所有者が通行権を認めないという相談がありました。
隣地所有者は、法人であり、当該法人の前代表者が依頼者の前主との間で通行権に関する協定書を締結したが、その後に当該法人の代表者が現在の代表者に変更となり、現代表者は、前代表者が締結した協定についてはあずかり知らないということで、通行権の対象となる土地上に、樹木を植栽して、車両などが通行できないようにしてきたというものでした。 そこで、当方としましては、マンションの建設工事もストップしてしまいましたので、通行権の対象となる土地について通行できるように仮処分を東京地裁保全部に申立しました。保全部において審尋が相当回数重ねられたうえで、ようやく必要な範囲で通行を認めるという仮処分決定が出て、本当に必要な範囲で樹木を伐採して、建築工事を継続することとなりました。 ところが、隣地所有者側から、当該仮処分決定に対して異議の申立と、起訴命令の申立がなされました。異議の申立というのは、当該仮処分決定が違法不当ではないかということを裁判所としても今一度検討してほしいという手続なのですが、これについては、途中で隣地所有者側が申し立てを取り下げました。しかしながら起訴命令というのは、仮処分が何時までも継続すると隣地所有者にとっては不都合が長期化するので、本当に通行権があるのかないのかを保全裁判所ではなく、通常訴訟を行う裁判所に訴えを提起せよというもので、結局、当方側としては、起訴命令に基づき、東京地方裁判所の通常部に通行権確認訴訟を提起することとなりました。 その裁判で問題となった争点は、原告である当方の前主と、被告である通行権の対象となる土地所有者との間で締結された通行に関わる協定書というのが、その締結当事者双方にしか効力が及ばないいわゆる債権的な取り決めなのか、それとも通行権の利益を享受する土地の所有権が転々としてもその時点の所有権者が、通行権を隣地所有者に主張できるいわゆる物権的な取り決めなのかが問題となりました。そこで、双方とも当該協定書締結の経緯など含め相当主張を尽くしましたが、結局、裁判所からの和解の勧めがあり、当方から隣地所有者に対して、相応の解決金を支払うことで、通行権を当該土地に築造したマンションの居住者を限りとする通行権を認めるという和解が成立しました。 本事件から学んだことといえば、やはり、今回の和解においても、決して誰に対しても主張できる、また誰に対しても譲渡できる物権的な権利としての通行権が認められたわけではないということです。裁判所としては、物件的権利を認めるには相当のハードルがあることを認識しており、それなりの対価なりの有無をも重視したり、また通行地役権という物権として登記しているかについても重視していますので、通行権を譲り受ける際には、両者の協定書だけを頼りにするのではなく、物権的な権利にまで高められているかなどを、登記の設定や、対価の授受などを確認しておくことが必要かと考えます。もし、通行権に不安を感じるようであれば、その時点で今一度通行権の対象土地所有者との間で通行地役権の設定・登記についての取り決めをしておくべきではないでしょうか。 以上
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